昼間、電車に座ったとき、向かいの窓に張ってある小さなシールに目がいった。
5センチ四方くらいの大きさだろうか。
明るいグレイの地に、何かの注意書きが書いてある。
眺めていると、窓の背景によって色が変わって見えるのがおもしろい。
窓の後に青空が広がると、シールは黒く見える。
逆に、トンネルに入るとシールはとたんに明るく見える。
いわゆる明るさの錯視というものだろう。
己は変わらないのに、周りの変化で変わって見える。
暗闇にいけばグレイも白となるし、純白に入ればわずかな暗さも気になってしまう。
ふと、世の中にグレイなことが多いのは、個人を目立たないようにしているからかも。
グレイの許容範囲の広さで成り立ってる世の中なのだろう。
みんな、シロクロをつけたがらないようだ。
ところが、なぜか政治には純白を求めてしまう。
自分たちはグレイで心地よく生きているのに。
不思議なものだ。
……と、都知事辞職を見て。